ケネディ一家

NHKのオンデマンドで視聴

これが関心するのが、JFKも、リンドン・ジョンソンも、ジャッキーも、一瞥すると本人かと思ってしまうぐらい似ていた。すぐに違いは分かるのだが。

で、内容は、今までは映像化されなかったであろう、JFKの暗黒面を描いた「大作」。

映画JFKとかでは理想的なヒーロー的大統領としてしか見えなかったが、これまでにあれこれ文章化されてきた彼とその家族の暗黒面、たとえば、どうしようもない女好き、マフィアとのつながり、妹の障害などが描かれていて、ただのケネディ王朝ではなく、ケネディ一家の苦悩が垣間見れたと思う。

JFKとマリリンモンローとの関係はそれなりに見聞きしていたが、まさかあそこまで女にだらしない人だったとは。タイガーウッズやクリントンを想起してしまう。FBIのフーバーが激高して、JFKの秘密をさぐらせるシーンがあるが、いや、フーバーそのものが女装癖がって、云々だったような記憶が。

父親の女好きもすごいが、彼のアクの強さというのもなかなかで、これらを全部覆ってしまう偽善のカバーとでも言うものが、なんというのか、アメリカの上流階級らしさなのかもしれない。
実際はわかりませんが、映像で見られる姿はそういうもので。まぁ今回のシュワちゃんの離婚も同じ理屈じゃなかろうか、とも思う。今回の騒動まで何も知らなかったのか?知事の任期が終わるまでは辛抱したのか?後者だと思うんだけど。ま、シュワちゃん夫人がケネディ一族というのも因果を感じますが。

この中で一人、ケネディ夫人の望むままに成長したのが、ボビーケネディ。彼は正義の人で、浮気もしない、酒ものまない、タバコも吸わない人として描かれている。実際には、彼もマリリンモンローと関係があったらしいのだが。
ただ、その正義漢が暴走して、マフィアを徹底的においつめ、兄と自分の死をもたらすことを後悔する姿が、なんというのか、アメリカの現状を描いているなぁ、と関心する。


ここに描かれた話しは目新しくはない。だけど、それがテレビシリーズ化したというのは、最後のケネディ家の大物、テッド・ケネディも死に、それから10年ほどがたち、ようやくJFKが歴史上の人物になったということなのかもしれない。
今は中国でもようやく毛沢東の批判的記事が許されるようになったという。それも彼が歴史上の人物としての判断を許される時代になったから、らしいのだが、それと同じ伝で、JFKも歴史上の人物になったということなのだろう。JFKジュニアの死からももうずいぶんたっているのだし。

ただ、一人のヒーローが単純なヒーローではないというのに、好感が持てる。
もてるし、なんというのか、そういう人間的欠落がある人物の方が大統領として好感をもたれている
ビル・クリントンもそうだし、ジョージ・ブッシュ2世の方はアル中だったし)、
むしろ潔癖な人物として見られる人たち(カーターとか、ニクソンとか)の方が、政治的には評価されていないように見えるのが、なんというのか、人間の二面性の持つ意味というのか、を感じさせてくれる。


☆☆☆☆☆ 1800円映画になったら見たい。