ラスベガスをぶっつぶせ

2008年 アメリ

MITの学生がブラックジャックで大金を作る物語。

ケビン・スペーシーが、ちょっとエキセントリックなMIT教授役で出てくる。
なんというのか、はまり役と言えるのかもしれない。

学生役は、ジム・スタージェス。どこかで見たような、と思っていたら、『アクロス・ザ・ユニバース』の主演だった。なるほど。

で、ベガスのギャンブル・カウンセラーというか、日本的には用心棒に、ローレンス・フィッシュバーン。この人もはまり役という感じ。

こういうときにつくづく、ハリウッドの人の層の厚さに感じ入る。
話しの内容は、まぁ、こんなもんか、という感じ。可もなく不可もなくというと言い過ぎかもしれないが。

ベガスの魅力というか魔力というか、がよく描かれている。
一度行ってみたいんだけど、なかなかチャンスが無い。

MITの構内も魅力的に使われている。行ってみたかった。

まぁ、しょうがないんだろうけど、字幕の誤訳がちょっと。意訳というにはちょっとケアレスだろうと思う。

ハーバード医科大学とか。
これは日本人の感覚で訳せば、ハーバード大学医学部でしょう。
どうしても、なら、ハーバード大学医科大学(日本の歴史的にはこういう用法もあったし)
そもそも、日本の大学システムとアメリカのそれは違うわけだけど、
たとえば、Law School の名前を訳す時にどうするか、にも通じるでしょう。
いや、University とColledgeの違いか。

より端的には、東京大学東京大学医学部、東京医科大学は別物だ、ということで、ハーバード医科大学とう別の学校があるようにしか見えない。

まぁ、本筋には関係ないんですが。


あと、MITのビルに、ニュートンとかダーウィンとか書いてあるのが良いなぁ。
いかにも知の殿堂という感じがする。

自分がいつか大学の学長か理事長になったらこういう建物名にしたいなぁ。

アメリカの街の通りの名は、元々は1番街からスタートするように味気ないものが多いんだけど、それなりの歴史の中で有名人の名前にとってかわるようになっている。
何処の街だか忘れたけど、それを大統領の名前の順にしているところもあった。
ワシントンアベニューが一番街で、一つずつ代が進んでいく。
こうすると、高校生がアメリカ史の授業で覚えやすくて良い
(ちなみに、アメリカ史の授業とアメリカ政治の授業はアメリカの高校の必須科目です。さらにいうと、たった200年ちょっと(発見されてから500年程度の国の歴史だから、歴史の教科書は、まぁ、細かい事まで書いてある書いてある。イヤになりますよ。読み物としては面白いんですけど)

あるいは、アルファベット順に通りの名が決まっている街もあった。
アダムストリートの次は、ベイカーストリート、みたいな。

そういう風に名前をつけていくのも良いんだろうな。

1号棟は、Aで始まる人の名前で、みたいに。
26号棟まで造れるし。


物語の筋そのものは、まぁ、よくあるパターンか。
優秀な人間が、ビジネスライクな人間に見いだされ、それまでの小さな幸せを守ろうとするのだけど、周辺の人間(普通は魅力的な異性)にほだされ、巻き込まれていく。
で、自分が作ってきた・守ってきた小さな生活・幸せが壊れはじめ、舞台が大きくかわり順風に進んでいたプロジェクトが破綻し、ここでもう一度舞台が代わり、大団円に向かって、復讐もしくは復興をとげる、という。


実際のチームメンバーはアジア系が多いらしく、本作では白人が大半のチームの作り。アジア系コミュニティーからは異論が出たらしいのだが、それで良かったと思う。
だって、この映画をアジア系の俳優がしていたら、まぁ、誰でもいいですが、アジア系のイメージがまた低下していたと思う。

ガリ勉の金儲けが好きな、そして、何を考えているか分からない、というイメージが。本作に出てくるチョイみたいな、あるいはチャイナタウンのカジノの風景のような。



Pastimeにはうってつけの作品だろう。

さすが、可もなく不可もなくという作り。


☆☆☆ーー 500円。レンタルで十分。