トークショー

キャシー・ベイツ アメリ

デヴィッド・レターマンジェイ・レノが、ジョニー・カースンの後を襲おうとした時期のドタバタ・イザコザを描いた話し。実話だという。

ジョニー・カースンはアメリカの夜の顔だった人。30年間にわたり、トークショー(トゥナイト・ショー)のホストをやった人。
僕がアメリカに居たとき、夜にテレビを見る時のスタンダードだった人。
この人が代表するアメリカの笑いが好きで、日本でみられないのがとても残念だった。

日本で言えば、誰にあたるのか?タモリ黒柳徹子みのもんた
タモリタモリでも、昼の顔ではなく、夜のタモリ倶楽部の時が近いか。

で、その巨大な後釜、物語ではギャラは一年間で600万ドル。ウィキペディアによれば最近の年収は4000万ドルにのぼるらしい。なんか凄すぎる。オプラに至ってはケタがさらに一つ上らしいが。

で、キャシー・ベイツがいつもの肝の据わったおばさん。怖い怖い。
こういう人がいたら、たしかに誰も反論出来ないよなぁ。

というか、日本の企業とかの組織でもこういう人はいるよなぁ。
ここまで明確に人にかみつくことはしなくても、ワガママというか自己中というか。

今までの日本の企業は男尊女卑だとかセクハラ・パワハラがまかり通る世界だみたいに言われてきたけど、今の日本の組織でそれなりの年回りの人たちというのは、おばさんパワーで周りの男を虐げているようにしか見えない人が多いのではないだろうか?

彼女たちが様々な苦労をしてきたのであろうことは想像に難くないしその努力そのものは評価するけど、しかし、なんというのか、あんたそれでいいんかい、みたいな言動を繰り広げる人って多すぎないか?
うちの職場だけなのか?

うちの職場だと、それなりのポジションの人といのはそれなりの調整力があるし、黙々と仕事をする感じが強い。だけどそのポジションに居る女性というのは、なんというのか、調整力は無い。まわりが従っているだけ。
なぜ言うことを聞くかといえば、女とケンカするのはめんどくさいから、という家での夫・妻関係の再現みたいな構図。

で、この物語はそういう怖いおばさんキャシー・ベイツが、これから伸びようとしている、あるいは伸びつつある、伸びかけている、ジェイ・レノを強引にジョニー・カーソンの後釜に押し込み(その座を奪い)、莫大な権力をふりまわし、周り中を敵にして、で、辛抱しきれなくなった周りの人間が彼女を切る。

それと同時並行して、本来なら順当にジョニー・カーソンの後釜になるはずだった中堅どころのデビッド・レターマンがその座を奪われ、自分に相応しい番組を手に入れるまでの葛藤(面白いまでに、他人をけ落とす事はしない)を描いたものがたり。

ここで対比的に見られるのは、ジェイ・レノ本人は信じられないぐらいの善人として描かれているということ。人を裏切ることはしないし、昔の恩義に篤い。イタリア系だからかもしれないが。その彼が、結果的にキャシー・ベイツにだまされジョニー・カーソンをだましてしまい、そのことに激怒し、キャシー・ベイツを切る。
そして、デビッド・レターマンも、まぁ甘い人ではあるのだろうが、この手の業界に多いだろう、裏技・寝技を仕掛けることもなく、自分の次の番組をどうやって手に入れるのか、自分が拘ってきたトゥナイト・ショーをどうしても手に入れたい、しかし、他の番組でそうしたい、という葛藤が描かれている。

ここに出てくる腹黒い人間は、NBCの重役2人。
彼らは、この手の映画に良く出てくる、目先のそろばん勘定ばかりが優先する人。
で、2人ともそれなりに成功しているというのが、イヤ。


☆☆☆☆ー 1000円の日なら映画館で見たい。